エンジニアリングプラスチックの強度完全ガイド|素材別の特性と用途別選定方法
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エンジニアリングプラスチックとは
エンジニアリングプラスチックは、汎用プラスチックと比べて以下の特性が向上しており、高性能部品に使用されます。
- 耐熱性:高温下でも機械的特性を維持
- 耐摩耗性:摩擦や衝撃に強く長寿命
- 寸法安定性:温度や湿度変化に強い
- 耐薬品性:酸・アルカリ・油など化学薬品に耐性
- 加工性:切削・射出成形・押出加工など多様な加工が可能
この特性を活かすためには、部品に必要な引張強度、耐衝撃性、摩耗耐性を理解した上で素材を選ぶことが重要です。
代表的なエンジニアリングプラスチックと強度比較
以下の表に、主要なエンジニアリングプラスチックの引張強度や耐摩耗性、耐衝撃性をまとめました。用途や条件に応じた比較が可能です。
| 種類 | 略号 | 引張強度(MPa) | 耐摩耗性 | 耐衝撃性 | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|---|
| ポリアセタール | POM | 60〜70 | 高 | 中 | ギア、軸受、精密機械部品 |
| ポリアミド | PA6/PA66 | 50〜80 | 高 | 中 | 歯車、ベアリング、機械部品 |
| ポリカーボネート | PC | 60〜70 | 中 | 高 | 電子機器カバー、光学部品 |
| ポリエーテルエーテルケトン | PEEK | 90〜100 | 高 | 高 | 航空機部品、医療機器、精密機械 |
| ポリフェニレンサルファイド | PPS | 80〜90 | 高 | 中 | 電子部品、化学機器 |
| ポリフェニレンオキサイド | PPO | 70〜80 | 中 | 中 | 電気部品、機械構造材 |
耐強度別の素材選定ポイント
素材選定は単純に強度だけでなく、使用環境や加工性も考慮する必要があります。
高強度(80MPa以上)
- PEEK・PPS:耐熱性・耐薬品性・耐摩耗性が極めて高く、航空機や化学機器部品に最適です。
- 高温環境での長期使用でも変形が少なく、部品寿命を大幅に延ばせます。
中強度(60〜80MPa)
- POM・PC:耐摩耗性と耐衝撃性がバランス良く、ギアや電子機器カバーに適しています。
- 切削加工が容易で寸法精度が高く、精密機械部品に向いています。
低〜中強度(50〜70MPa)
- ナイロン(PA6/PA66):吸湿による寸法変化に注意が必要ですが、摩耗強度と耐薬品性が高く、ベアリングや歯車に最適です。
- 乾燥処理や添加剤によって性能を安定化できます。
用途別強度活用例
| 用途 | 推奨素材 | 引張強度(MPa) | 特性 |
|---|---|---|---|
| 航空機・高負荷機械 | PEEK、PPS | 80〜100 | 高強度、耐摩耗性、耐熱性、耐薬品性 |
| 電子機器カバー・光学部品 | PC、PPO | 60〜80 | 耐衝撃性、透明性、耐熱性 |
| 歯車・ベアリング | POM、ナイロン | 50〜70 | 耐摩耗性、衝撃強度、寸法安定性 |
| 医療機器部品 | PEEK、PPS | 80〜100 | 耐薬品性、耐熱性、長期使用可能 |
加工性と強度の関係
- POM:切削性が良好で、潤滑剤使用により摩擦低減。熱による変形が少ない。
- ナイロン:吸湿により寸法変化。乾燥処理や添加剤で安定化可能。
- PC:熱成形・切削可能だが光学精度に注意。電子機器や透明部品に最適。
- PEEK・PPS・PPO:高温成形が必要。収縮や寸法変化を考慮した設計が重要。
耐摩耗性・衝撃性・強度のバランスで選ぶ
部品の用途に応じて、引張強度だけでなく耐摩耗性や耐衝撃性も考慮します。例えば:
- ギアやベアリング:耐摩耗性重視 → POM・ナイロン
- 高負荷機械や航空部品:高強度・耐摩耗性重視 → PEEK・PPS
- 光学部品・電子機器カバー:耐衝撃性と透明性重視 → PC・PPO
よくある質問
エンジニアリングプラスチックの素材ごとの強度はどのように異なりますか?
素材ごとに引張強度、耐摩耗性、耐衝撃性が異なります。高強度が必要な場合はPEEKやPPS(80〜100MPa)が適しており、中強度のPOMやPC(60〜80MPa)はギアや電子機器カバーに向きます。低〜中強度のナイロン(50〜70MPa)は吸湿に注意しつつ、歯車やベアリングで利用されます。
耐摩耗性や耐衝撃性を重視した素材選定のポイントは何ですか?
用途に応じて特性を重視します。ギアやベアリングには摩耗に強いPOMやナイロン、高負荷機械や航空部品には高強度かつ耐摩耗性のPEEKやPPS、電子機器カバーや光学部品には耐衝撃性と透明性のあるPCやPPOが推奨されます。強度と特性のバランスが重要です。
加工性は素材選定にどのように影響しますか?
素材ごとに加工性が異なります。POMは切削性が良く熱変形が少なく、ナイロンは吸湿による寸法変化に注意が必要です。PCは熱成形や切削が可能ですが光学精度に留意します。PEEK・PPS・PPOは高温成形が必要で、収縮や寸法変化を考慮した設計が求められます。
まとめ
エンジニアリングプラスチックは、素材ごとにそれぞれの強度、耐摩耗性、耐衝撃性が異なります。用途や使用条件に応じた正しい選定を行うことで、部品の性能と寿命を最大化できます。本記事では、代表的なプラスチックの強度一覧、用途別推奨素材、加工上の注意点まで徹底解説しました。失敗しないための素材選定完全ガイドです。