POM(ポリアセタール)の切削加工完全ガイド|精密部品設計と加工のポイント徹底解説

精密機械部品やギア、軸受など幅広い分野で利用されるPOM(ポリアセタール)は、切削加工性が高く、寸法安定性や耐摩耗性に優れた素材です。本記事では、POMの基礎特性から、切削加工の最適条件、注意点、用途別活用例までを徹底解説し、失敗しないためのPOM活用完全ガイドを提供します。
POM(ポリアセタール)とは
POMは、熱可塑性エンジニアリングプラスチックの一種で、高精度部品に求められる特性を備えています。具体的には以下の特性が挙げられます。
- 耐摩耗性:摩擦や擦れに強く、長期間使用でも摩耗しにくい
- 寸法安定性:熱や湿度変化による収縮や反りが少ない
- 耐薬品性:酸、アルカリ、油など多くの化学薬品に耐性あり
- 切削加工性:潤滑剤を併用することで高精度の加工が可能
- 耐熱性:短時間であれば100〜120℃まで使用可能
POMの基本特性や、ほかのエンジニアリングプラスチックとの比較についてはエンジニアリングプラスチックの特性一覧に関して解説で詳しく解説しています。

POMの切削加工の特徴
POMは切削性が非常に良好で、精密機械部品の製造に最適です。加工面が滑らかになり、精度の高い部品を効率的に生産できます。切削加工の際には以下のポイントが重要です。
- 潤滑剤の使用:切削熱を低減し、摩擦によるバリや表面荒れを防止
- 刃物の形状と材質:鋭利な超硬工具を使用すると切削面が滑らかになる
- 切削速度の調整:過度な高速加工は熱変形の原因となるため適切な速度設定が必要
- 切屑処理:切屑が残ると表面精度に影響するため、定期的な除去が推奨
- 温度管理:加工中の摩擦熱による収縮や反りを最小限にするため、冷却や間欠加工を検討
切削加工のおすすめ条件
| 項目 | 推奨値 |
|---|---|
| 回転速度 | 2000〜4000rpm(刃物径による調整必要) |
| 送り速度 | 0.05〜0.2mm/rev |
| 切削深さ | 0.2〜1.0mm(精密部品の場合は浅め推奨) |
| 潤滑剤 | 水溶性切削油または少量の機械油 |
寸法安定性の利点と活用例
POMは寸法安定性が高く、長期使用でも部品精度が維持されます。そのため、摩耗が激しいギアやベアリング、精密部品に向いています。
- ギア・歯車:摩耗に強く、回転精度を維持
- 軸受・ベアリング:摩擦に耐え、長寿命化が可能
- 精密機械部品:切削加工で高精度を実現可能
用途別活用例の詳細についてはPOMの用途別活用例に関して解説で詳しく紹介しています。
切削加工時の注意点
POMの加工時にはいくつかの注意点があります。これらを理解することで部品の精度と耐久性を最大化できます。
- 熱による変形:加工熱が大きいと収縮や反りが発生するため、間欠加工や冷却が推奨
- 吸湿による寸法変化:保管中の湿気吸収で寸法が変わる場合があるので乾燥保管が必要
- 刃物摩耗:刃物の摩耗は加工精度に直結するため定期的な交換が必要
- 切削粉の除去:表面粗さや精度に影響するため加工中は清掃を徹底
POM加工と他素材との比較
POMはナイロン(PA)、PC、PEEKなどの他のエンジニアリングプラスチックと比較して、切削性と寸法安定性に優れています。以下の表で特徴を比較します。
| 素材 | 切削性 | 寸法安定性 | 耐摩耗性 |
|---|---|---|---|
| POM | 非常に良好 | 高 | 高 |
| ナイロン(PA6/PA66) | 良好 | 中(吸湿による変化あり) | 高 |
| PC | 中 | 中 | 中 |
| PEEK | 加工難易度高 | 高 | 高 |
素材選定に関してはエンジニアリングプラスチックの基礎特性に関して解説で詳しく解説しています。

よくある質問
まとめ
POM(ポリアセタール)は、切削性に優れ、寸法安定性・耐摩耗性が高いため、ギアや軸受、精密部品に最適な素材です。加工条件や潤滑剤の選択、切削速度管理を適切に行うことで、高精度で長寿命な部品を製造できます。本記事では、切削加工のポイント、寸法安定性の活用例、加工上の注意点まで詳細に徹底解説し、失敗しないためのPOM活用完全ガイドを提供しています。

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